夫と妻がお互い相手に相続させる場合の遺言書

あなたのお子さんは独立し、生活に特に不安もないため、ご夫婦でお互いの生活のことを第一に考え、ご夫婦いずれかが先に亡くなった場合は、残った方にすべての財産を遺そうとお考えの場合の遺言書に関する内容です。

例えば、自宅の建物、土地がご夫婦の共有になっているような場合で、お互いに相続させるという遺言書の内容は、ご夫婦で似通ったものになります。

しかし、一つの遺言書で複数の方が遺言することは認められていないため、遺言書を作成する場合は、たとえ内容がほぼ同じようなものだとしても、ご夫婦でそれぞれ別々に作成しなければなりません。

例えば次のようになります。

<夫の遺言書>
1 遺言者○○は、下記の財産その他遺言者が所有する一切の財産を、妻○○に相続させる。
  (1)土地
    所在 ○○
    地番 ○○
    地目 ○○
    地積 ○○
    のうち、持分2分の1
  (2)建物
    所在 ○○
    家屋番号 ○○
    種類 ○○
    構造 ○○
    床面積 ○○
    のうち、持分2分の1
  (3)預金
    ○○銀行 ○○支店 普通預金
    口座番号 ○○
    口座名義人 ○○
<妻の遺言書>
1 遺言者○○は、下記の財産その他遺言者が所有する一切の財産を、夫○○に相続させる。
  (1)土地
    所在 ○○
    地番 ○○
    地目 ○○
    地積 ○○
    のうち、持分2分の1
  (2)建物
    所在 ○○
    家屋番号 ○○
    種類 ○○
    構造 ○○
    床面積 ○○
    のうち、持分2分の1
  (3)預金
    ○○銀行 ○○支店 定期預金
    口座番号 ○○
    口座名義人 ○○

遺言書は1通に2名の遺言を書くことはできませんので、上記のように妻と夫の遺言書は別々のものになります。

相続財産はなるべく特定した方が良いのですが、すべての財産を一人に相続させる場合は、「すべての」財産ということで具体的に記載しなくても構いません。

上記のように不動産を特定させる場合は、登記事項証明書にある通りに記載するようにしましょう。

相続人が配偶者と子供である場合に、夫婦がお互いにすべての財産を相続させようとすれば、子供の遺留分が問題になります。

遺留分の対策としては次のようなことが考えられます。

  • 最初から遺留分相当額を相続させる内容の遺言にする。
  • 遺言の内容をあらかじめ伝えて、その意図を理解してもらっておく。
  • 現金、預貯金が少ない場合は、生命保険で対応する。

また、夫婦のどちらかは、相続人が遺言者よりも先に亡くなるという状態になりますので、それに備えておく必要があります。

その場合には相続財産をどのようにするか最初から遺言書に記載しておくか、または、その状況になってから遺言書を作り直すことを考えた方がいいでしょう。

遺言書、相続に係ることなら三原市の行政書士すがはらあきよし事務所にお気軽にお問い合わせください。

電話の場合:0848-38-9517 (平日9時~18時)

メールでのお問い合わせは24時間受け付けております。
曜日や時間帯によっては返信が遅れることがございますことをご了承ください。

お気軽にお問い合わせください。