この記事では、遺言書に書くことで有効になる、法的に強制力が生じる事柄について解説しています。
遺言書に書いてあることで法的に拘束力が生じるのは、法律に規定されてることだけです。
また、遺言書の内容により処分できる財産は遺言者個人の財産だけです。
これは当たり前のように思うかもしれませんが、例えば会社を経営されていた方の遺言において、本人の財産については遺言でその処分を指定できますが、会社の財産については、個人の財産ではないため遺言書に書かれていたとしても無効になります。
法律で定められている遺言事項
遺言書に何を書くかは個人の自由です。
しかし、法的に強制力を持つかどうかは別の話です。
遺言により、法的に強制力を持つのは、次の事項です。
1.相続に関する事項
- 推定相続人の廃除、取り消し
- 像族分の指定、又は指定の委託
- 特別受遺者の相続分に関する指定
- 遺産分割方法の指定、又はその委託
- 廃空車居住権の設定
- 遺産分割の禁止
- 共同相続人間の担保責任の定め
- 遺贈の遺留分侵害額負担方法の指定
2.財産処分に関する事項
- 包括遺贈、及び特定遺贈
- 一般財団法人の設立
- 信託の設定
3.身分に関する事項
- 認知
- 未成年後見人の指定
- 未成年後見監督人の指定
4.遺言執行に関する事項
- 遺言執行者の指定、又はその委託
5.その他
- 祭祀承継者の指定
- 保険金受取人の指定、又は変更
遺言の対象となる財産について
遺言書の中で書かれる相続又は遺贈の対象となる財産は、遺言者個人の財産だけです。
たとえ遺言者が、会社の代表取締役であったとしても「法人」と「個人」は別物であり、それぞれがそれぞれの権利を有しているものであるため、遺言者個人としては会社の財産について遺言書で処分を指定したとしても、その部分は無効になります。
遺言書に法律で定められたこと以外のことを書く場合
遺言書に書かれた事項が、法律で定められたこと以外である場合は法的に強制力を持ちません。
例えば次のようなことが書かれた遺言書が見られることがあります。
- 「葬儀は簡素に行うこと」
- 「遺体の臓器は医療機関に提供してください」
これらは強制力がないので、相続人に従う義務は生じません。
したがって、このようなことを遺言書に書かれる場合には生前に相続人となる家族とよく話し合って、自身の意思をよく理解してもらうことが重要です。
生前行為でもできること
法律で定められた遺言事項の中には、生前に遺言者自身により行うことができるものもあります。
- 推定相続人の廃除とその取り消し
- 認知
- 一般財団法人の設立
- 信託の設定
- 特別受益者の相続分に関する指定
- 祭祀承継者の指定
できることは自分でやっておこうというお考えであれば検討してみてもいいかもしれません。
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