介護が必要な配偶者のために、長男に財産の多くを相続させ、配偶者の面倒を看てもらいたいときの遺言書

あなたには、妻と二人の息子がいます。

長男夫婦は近所に住んでおり、妻は介護が必要な状態です。

自分の死後、妻の生活が心配です。

家が近いこともあり、長男に妻の介護を任せたい、その代わりに財産をすべて相続させようと考えています。

このような場合の遺言書は、次のようなものが考えられます。

1 遺言者○○は、下記の財産その他遺言者が所有する一切の財産を、長男○○に相続させる。
 (1)土地 ○○
 (2)建物 ○○
 (3)預金 ○○
 (4)遺言者が死亡時に所有する現金
2 長男○○は、前項の財産を相続することの負担として、妻○○が存命中の間、
必要な介護を行うものとする。
3 遺言者は、○○を遺言執行者に指名する。
4 遺言者の妻○○は、常に介護が必要な状態です。
長男○○にはすべての相続財産を相続させるが、その財産を用いて妻を介護してもらうことにした。
 二男の〇〇には、相続させない結果となったが、
遺言者の考えをぜひ尊重して、遺留分侵害額請求を行使しないでほしい。

上記のように介護をするという負担付で財産を相続させるという内容です。

この場合、負担付の相続を受ける長男は、遺言のとおり相続するか、放棄するか選ぶことができます。

また、財産は相続したものの、介護をしないということもあるかもしれません。

そんなことにならないように、生前からしっかりコミュニケーションをとって、相続と母親の介護のことについて納得してもらうように働きかけておきましょう。

遺言執行者を指定する意義として、介護がしっかり行われているかどうかを監督するというものがあります。

遺言書に、その内容を記載してもいいでしょう。

また、介護の内容についても特定した方がいいかもしれません。

自宅での訪問介護を受けるのか、介護施設を利用するのか、その介護方法によって費用が大きく変わってきます。

相続した財産に見合った介護方法でないと、長男としては、介護したくてもできない、という状態になってしまうかもしれません。

無理な内容にならないように配慮が必要です。

上記のような遺言の内容の場合、二男の遺留分を侵害することになります。

そのため、上記遺言では、4項のように、遺留分の請求をしないようにお願いしています。

しかしこのお願いには法的な効力がないので、二男が遺留分の請求をした場合、長男は、その金額を支払わなければなりません。

生前から、介護や相続のことをよく話し合って、二男に理解してもらうことが重要ですし、最初から遺留分相当額を二男に相続させるという内容の遺言にしてもいいかもしれません。

その場合、介護をする長男に対する負担との関係で、不公平にならないように配慮した方がいいでしょう。

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