自筆遺言書に誤字・脱字などの誤った記載があった場合の修正方法は、法律で規定されています。
決められたとおりの方法で修正していない場合、その遺言書が無効になってしまう恐れがあります。
この記事では、自筆遺言書を訂正するときの方法、気を付けなければならない点について解説しています。
遺言書の訂正の方法
作成した遺言書に後から書き加えたり、一部削除したり、訂正したりする方法は法律で規定されています。
その内容は、遺言書を訂正する場合には、遺言者本人が訂正する場所を2重線などで抹消し、訂正したうえで、訂正する場所を指示し、これを変更した旨を付記し、署名し、かつ、変更した場所に押印しなければならない、というものです。
作成された遺言書の偽造や変造を防止するために、遺言書の訂正の要件は厳しく定められています。
上記を満たさない場合には遺言の変更は効力を生じないことになり、場合によっては争いの原因となることもあります。
また、作成後の訂正だけでなく、作成途中の訂正等であっても、上記の方法で行わなければなりません。
具体的な遺言書訂正の要件を以下に説明します。
遺言書の訂正が認められるための要件
遺言者自身によって訂正すること
遺言書を訂正する場合は、遺言者本人が行わなければならず、それ以外の人が訂正を行ったとしても効力が生じません。
変更の場所を指示して訂正したことを付記すること
どの部分を訂正したのか指示したうえで、訂正したことを付記します。
付記する場所は、訂正した行の横等の欄外や遺言書の末尾などで構いません。
付記の書き方は、次のようなものです。
訂正した行の欄外に付記する場合の記載例
- 本行3字訂正
- 本行2字加入
遺言書の末尾に付記する場合の記載例
- 本遺言書〇行目3字訂正
- 本遺言書〇行目1字加入
- 本遺言書〇行目中「100万円」との記載を「200万円」に訂正した。
付記部分に署名すること
上記付記した部分に、遺言者自身が署名しなければなりません。
署名はフルネームで、遺言書作成時の署名と同じ氏と名を記載するようにしましょう。
変更の場所に押印すること
遺言書の訂正をする場合、訂正箇所を2重線などで抹消し、その部分に押印しなければなりません。
押印する印鑑は、遺言書作成時に押印したものと同じものでなければなりません。
遺言書の改ざんか修正か
上記の要件を満たしていれば、遺言書の訂正は有効になります。
しかし、仮に遺言者以外の者が訂正した場合で、形式上上記要件をすべて満たしており、一見すると有効な変更に見える場合はどうでしょうか?
その場合、遺言者以外の者による改ざんであることを立証しなければ、有効なものとして取り扱われる可能性があります。
そのようなことが生じないように、遺言書は封筒に入れて、糊付けし、大切に保管するよう心がけることが大切です。
上で見てきたように、遺言書の訂正が有効なものとするための要件は非常に厳しいものです。
そのため軽微な訂正ならいいですが、複数個所の訂正や大幅な訂正が必要になった場合は、遺言書の変更ではなく、作成し直した方が確実な方法であるといえます。
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