あなたは妻子と別居し、内縁関係のある別の女性と生活していて、その女性との間に子供がいるという場合の話です。
妻子と別居をして十数年、自分の財産は同居している内縁の妻とその子供に残したいという希望を持っているとします。
このような場合、内縁の妻とその子は、実際には家族同然であなたと一緒に生活しているとしても、戸籍上の妻子ではないため、あなたの財産を相続する権利はありません。
権利があるのは別居中の妻子です。
そのため、あなたが同居中の内縁の妻とその子に財産を遺すためには、遺言書により「遺贈する」必要があります。
例えば、次のような遺言書になります。
遺言者○○は、本遺言書に次のとおり遺言する。
1 同居中の内妻○○(〇年〇月〇日生)に以下の不動産を遺贈する。
(1)土地
○○
(2)建物
〇〇
2 妻○○に〇〇銀行〇〇支店遺言者名義の定期預金(口座番号○○)を相続させる。
3 長男○○に〇〇銀行〇〇支店遺言者名義の普通預金(口座番号○○)を相続させる。
4 同居中の内妻の子○○に、上記1から3以外のすべての財産を遺贈する。
5 遺言者は、遺言執行者として○○を指定する。
上記のような遺言書において、気を付けなければならないのは、遺留分です。
そのため、遺留分を配慮し、別居中の妻子にも最低限遺留分に相当する財産を相続させるという内容の方がいいでしょう。
上記の例では、内妻に住んでいる不動産、別居の妻子に預金、内妻の子にそれら以外のすべて、ということにしています。
遺留分に配慮せず、戸籍上の妻子に相続させないことになっていた場合、遺留分が請求され、感情的なもつれから、大変面倒なことになるかもしれません。
円満に納めるためには、別居中の戸籍上の妻子にも遺留分相当の財産を遺す方が無難であるといえます。
また、遺言執行者に第三者を指定しておけば、戸籍上の妻子と同居中の内妻とが直接会うこともなく、手続きを進めることができます。
円滑な遺言の実現のためにはぜひとも遺言執行者を指定しておくことをお勧めします。
遺言書、相続に係ることなら三原市の行政書士すがはらあきよし事務所にお気軽にお問い合わせください。
電話の場合:0848-38-9517 (平日9時~18時)
メールでのお問い合わせは24時間受け付けております。
曜日や時間帯によっては返信が遅れることがございますことをご了承ください。