令和6年をめどに戸籍謄本が、本籍地以外の市区町村でも
取得できるように運用を始める予定になっています。
(令和3年5月に改正法が参院で可決)
戸籍とマイナンバーも連携される予定で、
これらが実現すれば、以下記載の面倒な手続きが楽になりそうです。
相続手続きにおいて最初にやらなければならないことの一つが、戸籍の収集です。
この戸籍の収集というのは、場合によっては結構大変です。
相続人の人数が少なく、みんな近隣、特に同じ自治体に居住している場合には、一つの市役所で簡単に済むかもしれません。
しかし、そうでない場合が往々にしてあります。
多くの場合、相続人の代表者として手続きを行う人は、被相続人と同居していた方や被相続人の近隣にお住まいで、日常的に交流のあった方になると思います。
他の相続人が遠方にお住まいでも、連絡先を知っていれば、それぞれに戸籍を取得するようにお願いすれば済むかもしれません。
しかし、すぐに対応してくれる人ばかりだとは限りません。
億劫がって、なかなか対応してくれないかもしれません。(そういう人の方が多いかもしれません)
また、相続人の中にはどこに住んでいるかわからない人や、そもそも顔を会わせたこともない人もいるかもしれません。
そのような場合はどのようにして戸籍を集めればよいでしょうか。
亡くなった方の戸籍を取れるのは誰か
亡くなった方の戸籍は誰でも取れると言う訳ではなく、原則として次の方になります。
- 配偶者
- 父母、祖父母
- 子、孫
上記以外の方は、原則として認められません。
といってもあくまでも原則ですので、特別な事情がある場合は認められます。
その場合には、その事情を説明して納得してもらうための書類等の提出が求められることになります。
まずはご自身の戸籍を取りましょう
それでは、具体的な例をあげながら説明していきましょう。
例えば、あなたの父親が亡くなった場合を考えてみます。
被相続人が父親ということです。
この場合、相続人は、配偶者であるあなたの母親と子であるあなたとあなたの兄弟姉妹になります。
そして、あなたが相続人の代表として手続きを行うことになったとします。
あなたが父親と同居していた場合は、父親の戸籍を取ることができます。
そしてあなたが父親の籍に入っている場合は、あなた自身も、当然配偶者である母親もその戸籍に載っています。
しかし、あなたが結婚などで新戸籍を作り、父親と同居もしていないという場合は、まずご自身の戸籍を取りましょう。
父親の籍から一度移動しただけであれば、自身の戸籍をみれば、一つ前の本籍が載っているので、父親との関係がわかります。
もし、再度転籍している場合は、一つ前の本籍の戸籍もとれば父親との関係がわかります。
父親との関係がわかるようにあなた自身の戸籍を取っておきましょう。
亡くなった方の出生から現在まで(死亡まで)の戸籍を取りましょう
次に亡くなった父親の戸籍ですが、あなたが子であることを証明するために、上記で取った戸籍を見せるか、コピーを提出して申請しましょう。
このとき、相続のため出生から現在(死亡)までが必要だと言えば、その自治体で保存されているものがすべて出てきます。
もし、他の自治体から転籍されている場合には、さかのぼって取りに行かなければなりません。
近隣なら行くことができるかもしれませんが、遠方でいくことのできない場合は、郵送でも戸籍を取ることができます。
何度も別の自治体へ転籍されているような場合には、一つ一つさかのぼっていかなければならないので、大変時間がかかります。
居場所のわからない相続人の戸籍の取り方
父親の出生から現在までの戸籍を確認すると、離婚の経験があり、前妻との間に子がいることが分かった、(はじめからわかっていた)という場合、前妻の子も相続人ですので、戸籍が必要です。
現在どこに住んでいるかわからない場合には、父親の戸籍から順番に追っかけていく必要があります。
その子が何度も転籍していたり、すでに亡くなっていて、その子の子がいて、新戸籍に移っていたりすると、何度も何度も申請を繰り返さなければなりません。
郵送で戸籍の交付申請をした場合、自治体により差がありますが、早ければ3日程度で、遅ければ1週間ほどかかることもあります。
特に都市部の役所は、取扱数が多いせいか時間がかかる傾向があります。
したがって、相続人の戸籍を集めるだけで1か月から2か月程度かかることもあります。
郵送で戸籍を申請する場合、交付手数料は定額小為替で支払います。
現金や切手では受け付けてもらえません。
定額小為替は、郵便局で購入でき、50円から1000円まで12種類あります。
金額によらず、発行手数料として、1枚100円かかります。
つまり50円の定額小為替は150円、1000円の定額小為替は1100円必要です。
したがって、なるべく高い定額小為替のほうがお得です。
場合によっては、除籍や改製原戸籍など複数の戸籍が交付されることがありますので、大事を取って多めに2,000円から3,000円程度の定額小為替を同封しておいた方がいいでしょう。
お釣りは、交付された戸籍と共に、定額小為替で返送されます。
相続人が少なく、誰がどこにいるか明らかな場合は、それほど大変なことではありませんが、そうでない場合、上で見てきた例のような場合は、戸籍の収集というのは多くの時間がかかり、非常に面倒な作業になります。
しかし、相続手続きを進めるためには、必要なことですので、大変でも何とかやり切らなければなりません。
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